2023.07.03
コールセンターやカスタマーサポートでの問い合わせ対応は、企業と顧客の大切な接点です。また、応対品質は企業イメージや顧客満足度、顧客ロイヤルティなどに大きく影響します。
しかし、実際のコールセンターでは、熟練度に差があるオペレーターが個別に対応することがよくあります。さらに、電話に加えてメールやSNSなど、問い合わせの方法も多様化しており、対応漏れのリスクが高まっています。
この記事では、問い合わせ対応の改善が重要な理由や課題、問い合わせ対応を効率化する方法について解説します。
問い合わせ対応を効率化する前に、問い合わせ対応を効率化する重要性についてみていきましょう。問い合わせ業務を効率化することで、顧客満足度の向上やサービス品質の改善、競合他社との差別化に取り組みやすくなります。
コールセンターにおける顧客満足度低下の要因の1つに応答率の悪化があります。応答率が悪い状況とは、顧客が何らかのコミュニケーションを図っているにもかかわらず、企業側からの反応がない・遅い場合を指し、「電話がつながらない」「メールを送っても返信が来ない」などの状況を含みます。
問い合わせ対応を効率化することで、応対品質向上の取り組みが実現できれば、顧客満足度の向上が期待できます。ロイヤルティの向上により、リピート率が上がる可能性が高まります。
問い合わせ対応を効率化することで、サービス品質の改善にも役立ちます。効率化に向けて対応業務を整備することで、マニュアル化やノウハウの共有が進み、対応品質が改善され、顧客満足度の向上が期待されます。
問い合わせ対応を効率化することで、顧客対応の業務以外にも商品やサービスの改良にリソースを割くことができるようになります。問い合わせ対応で得た顧客のフィードバックは、商品やサービスの改良につながる重要な情報源となります。顧客からのフィードバックを積極的に収集することができれば、商品やサービスの改良に役立ちます。
顧客からの問い合わせに迅速かつ適切に対応することで、顧客満足度が向上し、競合他社との差別化につながります。同じような商品やサービスを提供している競合他社と比べて、問い合わせ対応が迅速かつ適切である企業のほうが、顧客にとって魅力的に映る可能性が高くなります。
企業にとって競合他社との差別化は非常に重要であり、顧客満足度の向上はそのための重要な要素です。顧客満足度が高いと、口コミや評判が広がり、さらに新規顧客の獲得やリピート率の向上にもつながります。そのため、問い合わせ対応の効率化は、企業の競争力を高めるうえで非常に重要な要素なのです。
これまで、コールセンターにおいてなぜ問い合わせ対応の効率化が重要なのかについて解説いたしました。具体的に問い合わせ対応を効率化する方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
本記事では問い合わせ対応を効率化する方法として、問い合わせ件数を減らす(対応の量を削減)、対応時間を短縮する(対応の時間を削減)、顧客応対以外の業務を削減する(対応に費やせるスタッフの時間を増やす)の3つを紹介します。
有人対応のみならず、FAQ(よくある質問)やチャットボットツールを導入することで、顧客やユーザーに自己解決を促し、ヘルプデスク業務を削減することが可能です。FAQやチャットボットは導入するだけではなく、分析を行い、改善を繰り返すことも重要です。AI搭載型の仕組みもあります。これによりFAQやチャットボットの対応品質を上げ、より顧客が適切な回答を得られるようにすることで、さらに問い合わせ件数を減らすことに繋がります。
そもそもなぜ顧客がコールセンターへ問い合わせる必要があるのか、問い合わせ内容を把握し、分析を行いましょう。内容によっては、製品やサービスを販売する際に案内したり、WEBサイト上にわかりやすく説明したりしておくことで、そもそも問い合わせ自体を削減できる可能性があります。問い合わせをせずに疑問が解決できることは、顧客満足においても重要です。
コールセンターの応答率が悪化する原因にはさまざまなものがありますが、主にはオペレーターの不足、コールセンターへの問い合わせが想定以上に発生している、1件あたりの対応時間が長く対応しきれていないなどが考えられます。そのため、顧客満足度を低下させないためにも、対応時間を短縮し、問い合わせ対応を効率化することが重要となります。
多くのコールセンター業務では、社内マニュアルが準備されているでしょう。しかし、これらのマニュアルは長期間更新されていない場合も多く存在します。
現状の業務を可視化し、業務フローやマニュアルに改善点はないか、削減できる業務工数はないかを見直しましょう。四半期に1度程度の頻度でマニュアルを現場の実態に即したものに更新、充実させることが重要です。より問い合わせ対応の実態に即したマニュアル作成を行うことで、対応時間を短縮できる可能性があります。
コールセンターの対応時間の短縮、また品質の向上という観点でも、トークスクリプトの活用と改善は大切です。知識や経験にばらつきのあるオペレーターが、個別に考えて対応することで、時間もかかり対応品質のばらつきも発生します。熟練オペレーターの対応方法をテンプレート化し、トークスクリプトを活用することで、熟練オペレーターと同様の対応を実現し、対応時間の短縮にもつながるでしょう。
前提として顧客とのやりとりを対応履歴や対応事例として残し、ノウハウ化することがポイントです。
オペレーターに教育・研修を実施することにより、業務スキルの平準化を図り、処理能力の向上を支援します。そのためにも、オペレーターの習熟度に合わせた教育や研修体制を整備することも重要です。
顧客の問い合わせ件数を減らし、対応時間を短縮することは業務効率化に欠かせません。しかしこれだけではなく、無駄な負担や手間を省くことで、生産性を上げることも基本です。本質的な顧客対応時間を増やすために、顧客対応以外の業務を削減するのがおすすめです。
顧客管理システム(CRM)の導入によって、情報の一元管理により連携業務などの効率化が期待できます。顧客対応後の情報整理や連携手続きなどのための平均後処理時間(ACW)の短縮につながります。導入コストが障害となる場合は、小さな規模から導入する方法としてクラウド型のITサービスを活用し、初期費用を抑える方法があります。導入するのみならず、効果検証を行いながら導入後の運用を改善することにより、業務品質の向上にも寄与するでしょう。
コールセンターで発生する顧客対応以外の定型業務をアウトソーシングするといった方法もあります。例えば、契約書をデジタル化してデータベースに格納するなどコールセンター業務に付随する定型業務や、経理や人事などの間接業務をBPOサービス企業に委託するなどが考えられます。
人手不足をAIで解決する、ディー・キュービックのAI電話自動応答サービス
最後に問い合わせ対応における主な課題と改善ポイントについて見ていきましょう。
問い合わせの増加に対応しきれなくなると、応答品質の低下を招いてしまうため、問い合わせ件数が急激に増えないことが対応品質の維持には重要です。問い合わせ件数が増えてしまう場合として、商品やサービス、Webサイトに問題があることがあります。この場合は、コールセンター側での対応以前に、商品やサービス自体の不具合・問い合わせポイントの見直しや、WebサイトのUXを再検討することが必要です。
コールセンターでの顧客対応時間には「一通話・一応対の通話や対応時間」に加え「(カスタマーサポートの場合)問い合わせ内容に対する問題解決に要する時間」があります。
「一通話・一応対の通話や対応時間」に時間がかかる場合は、マニュアルやトークスクリプトの整備、オペレーターの教育による対応時間の短縮化が必要です。
一方、「(カスタマーサポートの場合)問い合わせ内容に対する問題解決に要する時間」が長時間かかる場合には、いくつかの原因があります。代表的な問題点として、社内の部門間の連携が悪い、ナレッジシステムが整備されていない、顧客のステータスの共有不足などが考えられます。
問い合わせ管理システムや顧客管理システム(CRM)の利用などによって、社内の情報共有を強化し、これらの課題解決を図りましょう。
問い合わせ対応の効率化において、オペレーターによる対応内容や品質が異なるといった問題があります。この背景には、顧客情報の共有ができていない、マニュアルなどの整備がなされておらず、対応にばらつきが発生することが原因です。
教育・研修の実施や、マニュアル・トークスクリプトの整備、管理システムの導入による情報の共有を通して、これらの課題を解決しましょう。
本記事では、問い合わせ対応の改善が重要な理由や課題について説明しました。さらに、課題への解決策として、問い合わせ対応を効率化する方法について紹介しました。
コールセンターは顧客対応の最前線であり、顧客満足度や顧客ロイヤルティに強く影響します。そのため、顧客対応の応答率の改善や業務効率化、対応品質の向上は企業の売上や利益に直結する要素といっても過言ではありません。さまざまな取り組みで問い合わせ対応の効率化を図り、顧客満足度や顧客ロイヤルティ向上を目指しましょう。
ディー・キュービック株式会社は、1979年に設立されたコンタクトセンター運営・DX化の専門企業です。多様化するコミュニケーション環境の中で、アナログとデジタルでの「対話」から豊かな「顧客体験」を共創する企業として、クライアントの付加価値創造を支援しています。
2024.10.03
2024.09.26
2024.07.11
サービスについてのお問い合わせに
つきましては、
下記よりお願いいたします。