2023.06.15
コールセンター業務ではサービスや製品を利用する顧客から、電話応対でさまざまなお問い合わせに対応しなければなりません。そのなかには、一般的な疑問点やお悩み解決を求める方もいらっしゃれば、怒りに任せて謝罪を要求してくるクレーマーもいます。
しかしクレーム応対は会話の中身を冷静に確認すると、顧客の貴重な意見や自社の課題、問題点を発見できるケースも珍しくありません。
このように一般的に悪いイメージを持たれがちなクレームですが、適切に対応することで自社の製品やサービス、企業の改善活動に役立つというポジティブな要素もあります。クレームと正しく向き合い、顧客側と企業側にとって納得がいく対応を心がけましょう。
40年の歴史が築いた、本気のAI電話対応。AI電話自動応答サービスはこちら(デモ電話できます)
顧客がお店や企業に対して行う主張のなかには「クレーム」と「苦情」が存在します。更にクレームのなかにもいくつか種類があり、内容によっては適切に対応することでお店や企業の成長につながる場合があります。
クレームとしばしば混同して使われることが多い言葉に「苦情」があります。クレームとは顧客が商品やサービスを使用して、損害を受けた場合に行う主張や要求を指します。一方、苦情とは事実か否かは関係なく顧客が不満や怒りを表明することを表します。
つまりクレームと苦情の違いは、その内容に被った不利益などに対する「請求行為」が含まれているかどうかにあります。一般的に苦情には請求行為は含まれませんが、クレームは返金や返品などの請求行為を含むことを覚えておきましょう。
クレームのなかには商品やサービスの品質、オペレーターの対応に対する意見などがあります。このようなクレームに対してないがしろにせず、内容を丁寧に精査することで、自社の商品やサービス、企業の改善に役立てられます。また迅速に対応し、同じクレームが起こらないように対策を実施することで顧客満足度の向上や実際にクレームを伝えた顧客自身のロイヤリティもアップするでしょう。
顧客が、独自の意見の押し付けや事実を誤認している場合に起こるクレームです。誤って認識されているとはいえ、すぐに顧客を否定して事実を伝えることは逆効果です。かえって顧客を興奮させることにもつながるため、まず電話の場合はとにかく話を聞くことに注力して、適度に相槌を打ちましょう。ケースバイケースではありますが、次第に相手の興奮度合いが下がり落ち着いて会話ができる状況をつくりやすくなります。
まれに事実無根のトラブルや無理難題などを突きつけて、不当な要求を行う顧客がいます。一時的にその場を抑えるためとはいえ、不当な要求には応じることは企業にとって大きなリスクを伴うため慎重に対応しなければなりません。
基本的にその場で要求を飲んだとしても、相手は再び同じクレームを繰り返して要求してくる可能性が高いためです。顧客がエスカレートし、自社や店舗のみでの対応が難しい場合は警察へ相談することも視野に入れましょう。
クレームへ適切に対応するポイントを把握できれば、顧客とオペレーターの双方が気持ちよく会話を終わらせられます。また自社や自店舗の課題改善にもつながるため、クレームを利用しない手はありません。
クレーム対応の基本は、顧客の意見をとにかく丁寧に傾聴することです。顧客が求めていることを把握し適切な対応ができるよう、話を聞き要件や現状を理解します。そして顧客が話し終わった後に、相手の要望と内容の要約を伝え、確認ができればなお良いでしょう。
ただ謝罪するだけではなく、会社としてできる範囲で顧客の求めていることに対応することが大切です。共感して真摯に受け止める姿勢を見せましょう。そうすることで、顧客は「相手に共感してもらった」と感じ、大きな安心と満足感が得られます。
クレーマーのなかには、感情的に罵詈雑言を浴びせてくる人もいます。このような顧客の対応は決して容易ではないでしょう。しかし、顧客のクレームの矛先は、オペレーター自身とは限りません。自社の商品やサービスに対する内容や、組織体制やマネジメントに問題がある場合もあります。
その場合は、電話を受けたオペレーター個人の落ち度はないため、ストレスを抱える必要はありません。またSVの立場にいる方は、日ごろからオペレーターがストレスを軽減できるような業務環境づくりを行う必要があります。
例えば、不当なクレームに対しては毅然とした態度をとってよい、という教育や「不安を感じたらいつでも相談できる人がいる」、「電話応対を代わってもらえる環境にある」という環境であれば、オペレーターも安心して業務に従事できるでしょう。オペレーターは「自分が怒られているのではない」と気持ちを切り替えることでストレスを緩和させることにつながります。
クレーム対応には、決して言ってはならないNGワードがあります。例えば以下の言葉が挙げられ、これらの言葉は相手を不快にするおそれがあります。
また以下のような、相手を否定するような言動も避けたほうがいいでしょう。
どのような対応が適しているかは顧客により千差万別ですが、相手を不快にさせない言い回しや言葉遣いなど、知っておいて損はありません。例えば、以下のような言葉がおすすめです。
まずはオペレーター側に非がなくとも謝罪の意を伝えて相槌を打ちながら傾聴し、最後に顧客の主張内容が理解できたため検討するという旨を伝えます。
ケースによっては、自分がまだ知らない内容ややり取りが発生することがあります。そのときには周りや上司に相談すると、会話がスムーズに進むことがあります。
自分の力で解決しようと悩む時間はもったいないですし、顧客をお待たせすることにもつながります。自力で対応できないと感じたら、すぐに上長などにフォローを求めましょう。ただ連絡するだけはなくフォローしてくれた人と顧客の会話を聞き、次回以降は自分で対応できるようにしましょう。
クレームのなかには、顧客の思い込みによる事実と反する内容や、お金や物品を目当てに理不尽な要求をしてくる人がいます。
このようなクレームには、決して従わずに毅然とした態度で応じなければなりません。理不尽な要求に応じてしまった場合、また同じ要求をしてくる可能性が高いためです。
そこで、理不尽なクレームに対しては以下の方法が効果的です。
自社に不備や問題点があった場合は、誠意を込めて謝罪すべきでしょう。しかし事実と反することや必要以上の要求に関しては、自社にとって有益な情報や意見が得られる可能性は低く、むしろ業務妨害やオペレーターへの負担など大きな損害につながります。
クレーム対応は、基本的には謝罪がメインになりやすいです。しかし謝罪のみの場合よりも、電話をして教えてくれたことに対して感謝の意を伝えるとよいでしょう。例えば、電話を切る際に「貴重なご意見ありがとうございます。」とお礼の言葉を添えれば、企業やコールセンターのイメージアップにつながります。
自社に役立つケースがあるとはいえ、クレームはできるだけ減らしたいものです。そこで、すぐに実践できるクレームを減らす対策法について確認しましょう。
クレームの電話があった場合のためにトークスクリプトを準備しましょう。オペレーターが適切な対応ができるようになるだけでなく、実際の業務においてどのような会話が行われるのかを把握することができます。またトークスクリプトは、事例や商品やサービスのアップデートごとに内容を見直して、定期的に更新することが大切です。
クレームをカテゴリーごとに分類し、原因を分析しましょう。クレームの原因として多く挙げられることは、商品やサービスの品質またはオペレーターの対応に関することがほとんどです。
企業の課題や問題点が発覚した場合は、あらかじめ定めておいた改善策を実行します。しかし企業や組織体制など、根本的な箇所に原因や課題がある場合は、オペレーターだけでは対処できないため、エスカレーションして企業側の担当者が改善を行います。
顧客との会話は、常時録音しておくことをおすすめします。後から聞き直すことで自社の課題改善に役立てることができます。またオペレーターからの報告や顧客の言い分に正当性があるのか確認できます。
さらに、理不尽なクレームを受けた際に告訴をする場合の証拠としても活用できるため、自社の課題改善や防衛のためにも、コールセンターのシステムに録音機能をつけておきましょう。
クレームが発生する代表的な理由の一つに、オペレーターの以下のような対応があります。
オペレーターによる対応でクレームを生み出さないためにはある程度のスキルアップも必要です。しかし実は、コールセンターの責任者が、クレームに対してどのような姿勢や考えを持っているかが重要です。
また責任者の姿勢や考えが、そのままオペレーターに伝わることに注意しましょう。クレームを面倒なことだと考えず、宝の山だという意識をもって教育に打ち込むことで、オペレーターにも伝わり、クレームを活かす対応を試行錯誤してくれるようになります。
コールセンターのクレーム対応は、的確に対応し内容を活用することで、自社の課題改善につながるだけでなく、誠意のこもった対応に感激した顧客の、ロイヤリティの向上も期待できます。
しかし、すべてのクレームに対応するのではなく、理不尽でない自社にとって有益な内容のみ大切にします。
クレーム対応は、まず謝罪から入り顧客の言葉を傾聴します。そこから、共感する意思を見せて顧客の感情をクールダウンさせた後、電話をしてくれたことに対して最後に感謝を伝えましょう。適切に対処すれば、顧客だけでなくオペレーターにとっても気持ちのいい仕事になることでしょう。
コールセンターの運用委託から業務のデジタル化まで。
ディー・キュービックのサービス紹介動画はこちらから。
ディー・キュービックのAI電話自動応答サービスがコスパ最強
初期費用 | 月額費用 | 通話音声 テキスト化 |
サポート 体制 |
|
---|---|---|---|---|
AI電話 自動応答サービス |
250,000円~ | 50,000円~ | ◎ | ◎ |
A社 | 300,000円~ | 150,000円~ | 〇 | 〇 |
B社 | 500,000円~ | 300,000円~ | 〇 | 〇 |
ディー・キュービック株式会社は、1979年に設立されたコンタクトセンター運営・DX化の専門企業です。多様化するコミュニケーション環境の中で、アナログとデジタルでの「対話」から豊かな「顧客体験」を共創する企業として、クライアントの付加価値創造を支援しています。
2024.10.03
2024.09.26
2024.07.11
サービスについてのお問い合わせに
つきましては、
下記よりお願いいたします。