音声認識の仕組みは?システム導入のメリットやデメリット、活用事例

2024.04.10 NEW

昨今のビジネスシーンでは、「音声認識」の技術を活用した便利なサービスが普及しつつあります。そもそも音声認識技術とは、人間が発話した内容を分析して、テキスト化する技術のことです。身近な例でいうと、「Siri」や「Googleアシスタント」などスマートフォンの音声アシスタントのほか、「Echo」「HomePod」「Google Nest」などのスマートスピーカーに用いられています。
この記事では、音声認識の仕組みからシステム導入のメリット・デメリット、活用事例などの情報をご紹介します。音声認識サービスの導入を検討されているご担当者様は、ぜひ参考にお読みください。

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音声認識の仕組み

音声認識はどのような方法で発話内容をテキストデータに変換しているのでしょうか。初めに、音声認識の仕組みをご紹介します。
ここでは、現在一般的に用いられている音声認識システム「DNN-HMM型」の仕組みをお伝えします。DNN-HMM型は、DNNで音を正確にとらえ、HMMで連続する音から意味を見出し、言葉を形成するという仕組みで変換するのが特徴です。なお、昨今は人間の脳の働きにより近い仕組みのニューラルネットワークで変換する「End-to-End型」も新たに登場し、今後の進歩と実用化へ向けて注目を集めています。

Step1.音響分析を実施する

入力された音声を、コンピューターが認識しやすい形式に変換するプロセスです。これを音響分析と呼びます。音響分析では、音声の特徴量(=データの特徴を数値で表したもの)を抽出することで変換が行われます。

Step2.音響モデルによる音素を抽出する

音響分析によって抽出された特徴量から、音素(=言語の意味を分ける最小の単位)を抽出します。これを音響モデルと呼びます。日本語の場合、音素は「母音」「子音」「撥音」から構成されています。

Step3.発音辞書と言語モデルにより日本語へ変換する

音響モデルで抽出した音素のパターンを、発音辞書や言語モデルと照合して確認し、日本語に変換します。発音辞書によって音素の組み合わせを単語として認識し、言語モデルによって単語のつながりを確率から予測して文章を組み立てます。

Step4.日本語としてテキストを出力する

Step3までの流れで変換されたデータが、日本語の文字列として出力されます。こうした仕組みにより精度の高い自然な文章化を実現しているのです。

音声認識システムのできることと活用例

音声認識を活用すると、さまざまな作業の効率化や精度向上が可能となります。ここでは、ビジネスシーンにおける主な活用方法をご紹介します。

音声の文字起こし(テキスト変換)

音声認識を活用すると、会話や会議の録音データなど、企業内のあらゆる音声をスムーズに書き起こしできるようになります。議事録作成の自動化や、発話による音声入力などを実現可能です。例えばコールセンター業務に導入すると、通話音声を自動的にテキスト化できます。受電メモの自動作成により、オペレーターが手入力で記録する手間を大幅に削減して、業務効率化を実現できるでしょう。

問い合わせ対応の自動化

音声認識で問い合わせ対応のコミュニケーションを自動化すると、業務改善に役立てられます。例えばコールセンターやコンタクトセンターに音声認識を搭載したボイスボット(対話型AI)を導入すれば、人手を介さずに問い合わせへの回答が可能です。ツールでオペレーターの業務をサポートすることで、従来よりも業務負担の軽減や顧客満足度向上が期待できます

音声のリアルタイムでの通訳・翻訳

音声認識はリアルタイムでの通訳や翻訳でも活用されています。話者の発言をその場で外国語に自動翻訳してテキスト化できるのが魅力です。さらには、音声合成で翻訳結果を再生できる便利なサービスも登場しました。昨今は技術が発展してアプリや翻訳機で気軽に翻訳機能を利用できます。ビジネスでは海外支店や外国の取引先とのコミュニケーションなど、幅広い活用シーンが想定されます

音声による機器操作

音声認識システムは、特定のキーワードを含めた命令によって、機器にコマンドを実行させることが可能です。具体的には、スマートスピーカーに「◯◯の曲をかけて」と命令して操作するケースが挙げられます。音声による機器操作は、ハンズフリーで使えるため手が離せない場面でも操作が可能となるのが大きな魅力です。例えば、工場の製品検査や保守点検のとき、筆記用具や記録用デバイスに触れずに音声のみで記録を取れるので、作業の効率化に役立てられます

音声認識のシステムを導入するメリットとデメリット

音声認識システムを導入すると、自社のビジネスにどのようなメリットがもたらされるのでしょうか。また、どのようなデメリットが懸念されるのでしょうか。ここでは、メリットとデメリットをご紹介します。

音声認識システムを導入するメリット

業務の効率化

音声認識により文字入力の際にタイピングが不要となり、書類作成の工数を削減できます。手入力が必要な工程を大幅に効率化できるのがメリットです。例えば、コールセンターの受電メモやオンライン会議の議事録などを作成する作業時間を短縮できるでしょう。

業務精度の向上

音声認識の活用は入力ミスやヒューマンエラーの防止にも効果的です。例えば、医療業界の現場で用いられる電子カルテには医療辞書が搭載されており、専門的な医療用語を音声入力する際の精度が高くなっています。IT機器の操作に慣れない方でも手軽に利用しやすく、高精度な点がポイントです。

顧客満足度の向上

音声認識をカスタマーサポート業務のフィードバックに活用すると、顧客理解が深まり、満足度向上に役立てられます。例えば、コールセンターでオペレーターへのフィードバックを実施する際、顧客からの問い合わせをテキスト化して分析すると課題を可視化でき、説得力のあるフィードバックにより対応品質の向上が期待できるでしょう。

ハンズフリー化

音声認識を用いたコマンド操作によって、ハンズフリーで機器を操作できるようになります。例えばコールセンターでは、音声による操作で電話帳を検索したり、通話先を指定したりできるハンズフリーの電話サービスが登場しています。機器の操作性が高まり、オペレーターの業務効率アップが期待できます。

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音声認識システムのデメリット

標準語以外への対応が難しい

音声認識は発音辞書にない音声を認識できないのが注意点です。発音辞書は標準語で作成されており、方言や独自の言葉遣いは認識が難しい傾向にあります。標準語以外への対応が課題となっているのが現状です。

複数人の同時発話へは対応しづらい

音声認識では、日常生活での一般的な会話のような、複数人の同時発話には対応しづらいのが難点です。そのため、会議をはじめとした複数人が発話する場面で正確に認識させるには、発言者ごとにマイクを分けると良いでしょう。

周囲のノイズに弱い

音声認識機能は周囲の雑音などのノイズによる影響を受けやすくなっています。ノイズによって認識精度が低下する可能性があるため、使用する環境に配慮することが大切です。ただし、近年はノイズキャンセリング機能を搭載したデバイスも登場しており、技術の向上にともないノイズ対策が可能となっています。

音声認識の仕組みを活用して業務効率化や顧客満足度向上を実現

ここまで、音声認識の仕組みやシステム導入のメリット・デメリット、活用事例までお伝えしました。音声認識を活用した技術で業務効率化や顧客満足度向上を実現するソリューションをお探しの企業様には、ディー・キュービックの「AI電話自動応答サービス」をおすすめします。
「AI電話自動応答サービス」は、コールセンターやコンタクトセンターの課題解決に役立つAIソリューションです。定型的な会話業務を人工知能が処理することで、業務効率を飛躍的に向上させます。また、複雑なお問い合わせはオペレーターへ対応を切り替え、状況に応じて適切なサービスを提供できます。活用シーンは幅広く、代表電話の応対・注文受付・予約受付などの業務改善に効果的です。音声認識の仕組みを活用した便利なソリューションで、業務効率化や顧客満足度向上を実現しましょう。

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著者情報

ディー・キュービック株式会社 マーケティング部

ディー・キュービック株式会社は、1979年に設立されたコンタクトセンター運営・DX化の専門企業です。多様化するコミュニケーション環境の中で、アナログとデジタルでの「対話」から豊かな「顧客体験」を共創する企業として、クライアントの付加価値創造を支援しています。

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