RPAとAIの違いとは?業務導入時の課題やAIと連携させるメリット

2023.06.08

近年、人手不足や人件費の高騰、業務時間の削減などの働き方改革を背景として、DX(デジタル・トランスフォーメーション)による業務自動化や効率化が注目されています。そのなかでも、RPAの市場規模はキーワードの浸透とともに年々拡大しており、AIとともに導入を検討する企業が増えています。

ただ、RPAやAIを利用する上での技術やルールを十分に理解せず導入すると、期待と異なる場合もあることから、RPAとAIの意味・特徴をきちんと捉えることが重要です。

この記事では、RPAとAIの違いから、業務導入時の課題やAIと連携させるメリットについて解説します。

RPAとAIの違いとは?

RPAとAIは、どちらも業務自動化に関する技術であるため混同されることも多いのですが、両者には明確な違いがあります。まずはRPAとAIのそれぞれの概要を理解し、両者の違いについて解説します。

RPAとは

RPAとは、Robotic Process Automationの略で、これまで人間が行ってきた定型的なパソコン操作をソフトウェアのロボットにより自動化するツールです。ソフトウェアロボットに作業を登録し、動作のシナリオを覚えさせることで、これまで人間がPC上で行なっていた業務を自動化できます。

多くのRPAツールにはレコーディング機能が備わっているため、専門的なプログラミングの知識や技術は不要です。人間が実際にPCを操作することで、RPAツールに自動で記録されるためです。

AIとは

AIとは、Artificial Intelligenceの略で人工知能とも呼ばれます。人が実現するさまざまな知覚や知性を人工的に再現するシステムです。AIは、与えられたデータを自己学習し、動作のルールや法則を見つけ出すことができます。そのため、適切な動作を自ら判断できるようになり、作業の自動化ができます

AIは独立したツールとしてだけではなく、機械やシステムに組み込むこともできます。例えばディー・キュービックが提供する「AI FAQ構築サービス」は、メールやチャットなど顧客対応の膨大なデータ(問い合わせ履歴や応対履歴のデータ)を投入すると、AIが問い合わせと回答の傾向を分析します。分析結果から、「よくある問い合わせ」と問い合わせに対する回答を自動的に生成。Q&AをFAQサイトやチャットボットに組み込むことができるようになります。

顧客の自己解決率の向上や問い合わせ対応効率の最適化を図ることができ、コールセンターなどの従業員の生産性向上に効果をもたらします。

参考:AI FAQ構築サービス|コンタクトセンターの運営・DX化 ディー・キュービック (dcubic.jp)

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RPAとAIの違い

RPAとAIそれぞれの定義を解説してきました。この2つの技術は混同されることが多く、ここではその違いについて解説します。

RPAは、作業を自動化するシステム自体のことを指します。あくまで、人間が設定したルールに従って、その通りの動作を行います。そのため、人の手作業の代替ツールといえるでしょう。

一方、AIはデータに基づいてソフトウェア自身が判断や作業を行う機能のことを指します。自ら学習して動作を行うための知識を蓄え、作業効率をより最適化できるようにフローの見直しや改善の提案まで行うことができます。

RPAは人間の手作業を代替する「筋肉」、AIは人間の学習・判断を代替する「頭脳」といえるでしょう。AIを搭載した高度なRPAもあるため、混乱しないように注意が必要です。

RPAには総務省によって3段階の自動化レベルが定義されています。自動化レベルにより「クラス」が異なりますが、現在多くのRPAはクラス1(判断を含まない定型業務を自動化するレベル)とされています。今後はより高度なAIと連携した非定型業務の自動化(クラス2)、さらには業務プロセスの分析や改善だけでなく意思決定までの自動化(クラス3)への活用が期待されています。

参考:https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02tsushin02_04000043.html

RPAを業務に導入する際の課題

RPAを実際の業務に導入する際にどのような課題が生じる可能性があるのでしょうか。業務プロセスの効率化や自動化を目的に業務に導入する中での課題を具体的に解説していきます。

RPAはさまざまな業務を自動化できますが、自動化に向いている業務と向いていない業務があります。例えば、請求書や経費処理などすべての工程手順が決まっている定型作業の自動化や、データベースの入力や編集など大量のデータ処理はRPAの得意領域といえます。
しかし一方で、都度判断を必要とする業務や、例外が頻発する複雑な業務などは不得意な領域といえるでしょう。

このようなRPAの特性を踏まえると、導入時には以下のような課題への留意が必要です。

自動化する業務範囲を限定する

先述の通り、RPAは登録した単純作業を自動化することは得意ですが、状況に応じた判断を必要とするようなイレギュラーな業務には対応できません。従って、最初からすべてを自動化しようとせず、イレギュラーが発生しやすい一部の業務などは、人間か関わることを前提とした設計にすることがポイントです。

保守・運用における正確な管理作業ルールを決めておく

RPAを正確に動作させるためには、事前の設定と管理に多くの労力がかかります。また、初期の設定のみならず、保守・運用の管理作業もルールを決め実施することが必要です。これまで人間が業務を行う場合には、日々の作業をしながら、それらの業務が適切に実施できているかを確認していたのに対し、RPAで自動化するには、継続的な保守・運用の管理が必要となります。

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RPAとAIを連携させるメリット

これまで見てきたように、RPAは定型化された単純作業は得意ですが、イレギュラーな作業は不得意です。ここでは、より高度な自動化を実現するために、RPAにAIを組み合わせることで生まれるメリットを紹介します。

RPAは定型化されたルーティンワークの効率化が実現されますが、イレギュラーな対応や、状況に応じた複雑な処理が発生する場合は、どうしても人間の介在を必要とします。そこで、RPAにAIを組み合わせることで、AIが分析・判断と指示を担い、RPAが指示を受けて作業をすることで高度な自動化を実現できます。

例えば、紙に書かれている文字を認識し、デジタル化する技術にOCR(Optical Character Reader)という技術があります。具体的には、紙文書をスキャナーで読み込み、書かれている文字を画像認識してデジタル化する技術で、これまでも名刺の管理や請求書などの伝票入力に活用されてきました。昨今はこのOCRにAIを組み合わせることで、AIが読み取り位置や項目を自動抽出し、フォーマットの異なる帳票を正確に読み取ることができるようになりました。読み取られた情報はRPAで処理されることにより、紙帳票からデータを抽出し、データ入力、集計・加工、出力といった一連の業務を自動化できます。

このように、RPA単体では登録した作業を自動化するだけで、データの収集や微調整などは人が介在して実現していましたが、AIが機械学習により自ら学び、適切な処理をできるように発達していくため、RPAにAIを組み合わせることで自動化の精度向上や扱える作業範囲の拡大が期待できます。

RPAとAIの違いを理解し、RPAとAIを連携させたより高度な業務効率化へ

単純なルーティンワークを得意とするが、イレギュラーな状況への対処・判断は不得意なRPA。一方で、自律的に判断し指示を出せるが、実作業は行わないAI。一見混同されがちな2つの技術ですが、それぞれの特徴や、得意・不得意領域を理解することが必要です。

業務効率向上に非常に有効なRPAに、自律的な判断を担えるAIを組み合わせることによって、より高度な業務効率化を目指せるでしょう。

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著者情報

ディー・キュービック株式会社 マーケティング部

ディー・キュービック株式会社は、1979年に設立されたコンタクトセンター運営・DX化の専門企業です。多様化するコミュニケーション環境の中で、アナログとデジタルでの「対話」から豊かな「顧客体験」を共創する企業として、クライアントの付加価値創造を支援しています。

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