2023.10.19
FAQとはユーザーから頻繁に寄せられる質問で「よくある質問」と呼ばれることもあります。Q&Aと似た言葉ですが、FAQには「頻度が高い(Frequently)」という意味合いがあるのが特徴です。FAQにはユーザーの自己解決を促す効果があり、適切に運用することができれば、問い合わせ件数の削減などが期待できます。
本記事では、FAQを活用するメリットや作成手順、作成時の注意点について解説します。コールセンターやコンタクトセンターの担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
まずは、カスタマーサポートにFAQを導入することの主なメリットについて解説します。
FAQを導入することで、主に3つのメリットが期待できます。
1つ目は、ユーザーからの問い合わせ件数の削減です。作成したFAQをホームページやサービスサイトに公開し、事前に用意された回答を提供することで、顧客の自己解決を促せます。
2つ目は、問い合わせ件数が減ることによる業務効率化です。社員やオペレーターの業務負担が軽減するため、職場環境の改善にもつながります。二次的な効果として、離職率が低下する可能性もあるでしょう。
3つ目は、顧客満足度の向上です。定型的なやり取りはFAQだけで完結するケースが増えるので、人のサポートが必要なユーザーへの応対品質が向上します。また、ユーザーの検索履歴を分析することで、製品やサービスに対するユーザーの困りごとを把握できます。分析結果を基にFAQを改善することで、サービス品質が安定するでしょう。
次に、FAQの作成手順について確認していきましょう。ここでは4つのステップに分けて解説していきます。
事前準備として、FAQの材料を収集しましょう。カスタマーセンターに寄せられた実際の問い合わせ内容を基に、FAQで設定する質問を選定します。その際は、電話やメールでの顧客応対や問い合わせの履歴を参照すると良いでしょう。もしもデジタルデータが残っていない場合は、スタッフからヒアリングしてユーザーのニーズを把握してください。
なお、重複する問い合わせ内容でも、もれなく履歴を記録することが望ましいです。このステップでは、質問項目の網羅性を重視してください。
質問項目の抽出が完了したら、質問の頻度や難易度に応じて分類しましょう。これにより、FAQに組む込むべき質問の優先順位が明確になります。例えば、質問の回数が少なく難易度が高い場合、外部公開用のFAQに組み込む必要性は低いでしょう。
また、質問の種類に応じてカテゴリー分けすることで、FAQの検索性が向上します。このとき、カテゴリーの種類はできるだけ「重複なく」「漏れなく」(MECEな状態で)設定できていることを心掛けてください。ユーザーは課題の解決に要する手間が少なくなり、顧客満足度向上につながります。
質問項目を整理したら、回答との紐付けを行います。的確な回答を用意するために、Webサイトやマニュアルなどを参考に、回答文を考えましょう。また、さまざまな部署とコミュニケーションを取ることも重要です。質問のカテゴリーによって最適解を持っている部署や担当者は異なるため、社内外を問わず十分に情報共有してください。
なお、回答に関連情報を加えたい場合には、参考ページURLで誘導するのが効果的です。ユーザーの理解度が高まり、問題の自己解決を促進できます。
FAQは一度完成したら終わりではありません。FAQ公開後にはデータ分析を行い、継続的に効果検証と改善を実施する必要があります。効果測定の主な基準は以下の通りです。
測定結果に基づいて、表現の調整や不足したFAQの追加などを行ってください。定期的なメンテナンスが重要なのはもちろんですが、新しいサービスを始める際には情報収集と改善を徹底することが大切です。
最後に、FAQを作るときに意識すべきポイントを解説します。FAQの導入効果を最大化するには、作成者が顧客目線に立ち、分析と改善を繰り返すことが重要です。
FAQの完成度を高めるためには、ユーザー目線で作成することが重要です。ユーザーニーズに合わせた質問文・回答文を用意することはもちろんですが、誰もが理解できるような記載内容にしなければなりません。特に顧客向けFAQの場合は、以下の項目をチェックしてください。
FAQ内で使用する単語や表現に関しては、事前にレギュレーションを整備することをおすすめします。専門用語を使わざるを得ないケースでも、注釈を付けるなどの工夫が必要です。
データに基づかない予測や推測でFAQの項目を選定してはいけません。作成者の主観ではなく、実際の問い合わせ対応データを基に本当に必要とされている情報を反映しましょう。情報収集の方法としては、Webフォーム、メール、電話などを通じた顧客対応履歴を参考にするのがおすすめです。ユーザーの生の声を聞くことで、FAQの実用性は高まっていきます。
なお、過去の質問情報の洗い出しと分析には「ABC分析」という手法が有効です。ABC分析を行うことで、質問の回数や頻度が明らかになり、FAQの項目に加えるべきかどうかの優先度が決まります。
内容を充実させることも重要ですが、利用しやすさを追求するのも大切です。ユーザーが必要な情報に簡単にアクセスできるよう、FAQページのレイアウトや設置場所を工夫してください。具体的には、以下のような施策でユーザーの利便性を高めることができます。
これらの施策を実行することで、ユーザーは自分が必要とする情報を素早く見つけることができ、時間と手間を削減できます。
FAQは、企業や顧客にさまざまなメリットをもたらす便利なツールですが、イレギュラーな対応は苦手としています。すべてのユーザーの疑問点を解消することはできないので、有人サポートとの連携が必要です。
そのため、FAQだけでは処理できない案件に備えて、FAQ内に別の窓口(有人チャットや電話番号など)を記載しておきましょう。また、「FAQチャットボット」という自動応答システムを活用するのも効果的です。FAQチャットボットは、問い合わせの難易度に応じて人間のオペレーターと連携できるので、AIと人間の分業で問い合わせ対応業務が効率化されます。
FAQに掲載されているコンテンツは、常に最新の状態にする必要があります。運用を始めてからも顧客のニーズは変化することもあります。そのため、FAQで提供する情報もアップデートする必要があるのです。FAQの利用状況や問い合わせ内容をこまめに確認し、必要に応じてメンテナンス・更新を実行しましょう。
なお、メンテナンスの手間を削減するためには、FAQを作成する段階で管理しやすい構成にしておくことが大切です。
FAQをWebサイトなどに導入することで、ユーザー(顧客)は自分で問題を解決できるようになります。これにより、カスタマーサポートやコールセンターへの問い合わせ件数は減少するので、企業は限られた人的リソースを有効に活用することができます。例えば、それまで有人窓口のオペレーターとして顧客対応に当たっていたベテランを、その知識と経験を活かしてFAQ運用のエキスパートとして活用することなどが可能になるでしょう。また、ユーザーからのフィードバックに基づいてFAQをブラッシュアップすれば、顧客満足度を高めることも可能です。
FAQを作る際には、本記事で紹介したポイントに注意してください。顧客が抱える課題に焦点を合わせ、効果的なFAQを作成しましょう。
ディー・キュービックのAI FAQ構築サービスは、AIによるテキスト解析技術を活用して、短期間で適切なFAQを作成するサービスです。応対履歴データをそのまま利用できるので、データ整備の負担が少なく、FAQの作成や更新にかかる工数を削減できます。
また、作成したFAQはチャットボットや音声自動応答など他のシステムに転用できるので、お問い合わせ対応の効率化につながります。
FAQの作成でお困りの方は、AI FAQ構築サービスの詳細をご確認ください。
参考:AI FAQ構築サービス
URL:https://www.dcubic.jp/service/dx-solution/faqbuildout/
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